手術不能の肺がんに新薬登場 今後の治療はどう変わる?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 2次治療の王座のような立場にいた抗がん剤が「ドセタキセル」だ。単剤で用いられてきたが、別の薬との併用で全生存期間を延ばせないか? さまざまな薬の試験が行われてきたが、「これぞ」という結果が出てこなかった。

 そんな中、昨年、画期的な薬である免疫チェックポイント阻害薬「ニボルマブ(商品名オプジーボ)」が登場。非小細胞肺がんは「扁平上皮がん」と「それ以外(非扁平上皮がん)」に分類されるが、前者に関しては免疫チェックポイント阻害薬の効果が高いことから、これが主役になった。

 一方、後者の非扁平上皮がんに対しては主役になるところまでは至らず、加藤医師が言うように「混沌とした戦国時代」のような状況だった。

「ところが、今回の新薬をドセタキセルと併用すると、扁平上皮がんも非扁平上皮がんも全生存期間が延びると試験で証明された。1200人以上対象という肺がんでは最大規模の試験で、奏効率、病勢コントロール率はドセタキセル単剤より10%上昇。臨床の現場で『この薬はよく効く』と実感できるレベルです」

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