なぜ? 「ギックリ腰なら安静に」は“百害あって一利”なし

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■「恐怖回避思考」が痛みを長引かせる

 しかし、3カ月経っても腰痛が消えず、悩んでいる人も少なくない。

「先に挙げた脳の機能の不具合から痛みが長引いている可能性が高い。私は『恐怖回避思考』と呼んでいます。痛みの体験が痛みへの恐怖を引き起こし、過剰な警戒心から腰を過度に大事にする回避行動を取らせ、体を動かさなくなる。恐怖回避思考が持続している限りは、腰痛から解放されず、再発を繰り返すのです」

 役立つのが松平医師考案の「これだけ体操」だ。

「最初はできる範囲で。回数を重ねるごとに骨盤への押し込みを強くし、反らす角度を少しずつ大きくしていくとより効果的。『痛いかも』という気持ちから『意外にできる』『痛くない』と、いい方向に循環し、恐怖が薄れていきます」

 つまり、正しい情報で恐怖心をなくす。楽観的に痛みと向き合えるようになり、痛みは軽快し、やがては回復に向かう。

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