ただし、B型は母子感染するほか、セックスや入れ墨の器具の不正使用などでも感染するため、若い人の感染者が増加傾向にあるので要注意です。B型に感染すると、10%が慢性肝炎に進行するといわれています。
■メタボな人は要注意
欧米は過剰な飲酒で慢性肝炎を起こす人が2割ほどいますが、日本はせいぜい1割。それより注意したいのは、非アルコール性脂肪性肝炎。肥満による脂肪肝から進展する肝炎です。メタボ予防は生活習慣病との関連で語られますが、肝臓がん予防の点でも大切でしょう。
肝臓がんになると、治療は手術が第一。病状や体の状態などによって手術ができないケースは、体の外から特殊な針をがんに刺すラジオ波焼灼術や、がんに栄養を運ぶ血管を塞ぐ肝動脈塞栓術などを行います。
これまで放射線治療はほとんど行われませんでしたが、最近は放射線が選択されるケースも。あるいは、免疫療法が選ばれるケースもあります。放射線や免疫療法は通院で治療できますから、ムッシュは当初、どちらかで治療していたのかもしれません。
ムッシュには「絶対復活」を願う一方、読者の方には慢性肝炎の状態で治療することを強くお勧めします。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁