妻が「末期がん」になったら

<1>家族のサポート 「頑張れ」と背中を押さず寄り添う

「頑張れ」と背中を押さず妻に寄り添う/(C)日刊ゲンダイ

■幼い子供にも臆さず説明する

 仕事があると、妻のサポートとはいえ、すべて背負うことはできない。何をすべきか。石井さんの妻は「料理は好きだけど、皿洗いは嫌い」「洗濯物を取り込んで畳むのも面倒」と語っていたので、朝晩の食後の皿洗いと週末の洗濯物の取り込みを買って出た。もう一つは体力的につらそうな買い物に一緒に出掛けること。引きこもりを防ぐためでもあった。

「妻とよく話をして希望をくんであげたり、妻の口癖を思い返したりすると、妻がしてほしいことが見えてきます。そうやって支えるのが、妻に寄り添うことです。がんを患った人はふさぎ込みやすいので、一緒にいることがうれしいし、外に連れ出してあげれば気晴らしにもなります。働いている夫は、家事や育児を妻任せというケースが多いでしょうから、それを引き受けるだけでも、妻は夫の気配りをうれしく思うのです」(加藤氏)

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