妻が「末期がん」になったら

<4>気が動転しても、夫は仕事と看病の“同時進行”が肝心

最高の笑顔で(提供写真)

 だが、病院の面会時間は働きながら看病する側の立場に立っていない。がん研有明病院や兵庫県立がんセンターは平日夜8時まで、築地の国立がん研究センターにいたっては夜7時で終了。5時の退社きっかりに仕事を終えれば何とか駆けつけられる時間だが、毎日のように定時退社する同僚を周囲はよく思わないだろう。パフォーマンタロウさんの妻の入院先も7時までだった。

「私の場合、朝8時から夕方5時までの勤務体系でしたが、社長に理解があり、緊急入院などがあれば早退や欠勤を認めてくれました。ただ、どうしても時間が取れない時は、朝5時に起きて妻の病院へ行き、足をさすってから働きに行ってました。本当は行ってはいけない時間ですが、事情を知っている看護師さんも見て見ぬフリをしてくれたのです」

 そんな時に役に立つのが有給休暇だ。労働基準法では20日間の有休が義務付けられているが、東武鉄道のように年27日と法定以上の休みを与える企業も増えた。さらに、退院後の自宅療養の看護などのケースにも使える「育児・介護休養制度」(通算93日)もある。

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