愉快な“病人”たち

俳優・声優の田中正彦さん 主治医の言葉で胃がん手術決意

田中正彦さん(C)日刊ゲンダイ

 それにしてもビックリしたのは、がん告知の瞬間です。医師がデータ画面を見ながら独り言のように「ああ、これ、がんだな」とつぶやいたんです。思わず「え?」と思っていると、「でも大丈夫、初期だから」と軽く言うんです。その医師に紹介された国立がん研究センターで改めて検査した結果、がんの進行度はステージ1。それでもやはり、パートナーの闘病を見ていただけに、がんと言われてかなりショックを受けました。

 でも、主治医が「切るよ、99・5%治すから」と言い切った力強い言葉に救われました。治療は抗がん剤でも内視鏡でもなく開腹手術。セカンドオピニオンの考えもちらつきましたが、「切るよ、治すから」という言葉で“この先生に任せよう”と思えたんです。

 翌月に舞台を控えていると打ち明けると、主治医は「終わってからでもいいよ。でも、胃がんを抱えて芝居をするストレスは大丈夫?」と一言。周囲に一番迷惑が掛からないようにと考えた末、舞台は断腸の思いで降板しました。

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