そもそも、ゴルフは「心臓発作が起こりやすくなる状況」が整っているスポーツといえます。たとえば、朝早く起きてゴルフ場に出向くことが多いため、普段は高血圧の薬を服用している人が薬を飲むのを忘れてしまい、血圧が高い状態でコースに出るケースも少なくありません。これは、薬で血糖を下げている人も同じです。
また、コレステロールを薬でコントロールしている人の中には、ラウンドする数日前からあえて服用を中断する人もいます。コレステロール降下薬は筋肉痛や関節痛などの副作用があるため、スイングに支障を来さないように薬をやめるというわけです。他にも、ラウンド中に水分を摂取せずに脱水状態になり、血液がドロドロのままプレーしているなんてケースもあります。
いずれも、動脈硬化などによって血管内に形成されたプラークを破綻させ、冠動脈に詰まって心筋梗塞を引き起こす“下地”ができている状態です。そこに、起伏の激しいコースを歩いて回ったり、スイングやパットによって心臓に大きな負荷がかかるわけですから、突然死のリスクはアップします。
天皇の執刀医「心臓病はここまで治せる」