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【がん患者への食事】東京医科大学病院 栄養管理科(新宿)

東京医科大学病院・栄養管理化の榎本眞理科長(C)日刊ゲンダイ

 同科は放射線科(核医学)と連携して、そのアブレーション治療を受ける患者の栄養指導を徹底して行っている、全国でも数少ない施設だ。

「甲状腺がんの栄養指導はこれからの分野で、通常は海藻類などヨウ素を多く含む食品を挙げて、食べないように指導している程度です。しかし、当科はあらゆる食品を調べて、通常1日に100~300マイクログラム摂取している量を計算して、100マイクログラム以下まで減らすように指導しています」

 ここまで徹底するのは、外食やコンビニ食を中心に、多くの食品に「増粘剤」や「昆布ダシ」などの形でヨウ素成分が使われているからだという。魚も海藻をエサにするので、肉類の方がヨウ素は少ない。同科ではトンカツ、しゃぶしゃぶ、鶏空揚げなど、誰もが好きそうなメニューの調理法や調味料のレシピを教えてくれる。

「いずれにしても、がん患者さんは食が細ると不安が増して、病気に対して前向きになれません。『食欲がない』『体重が減った』『味覚が変わった』『口内炎ができた』などで、どうしたらいいか分からないときは、積極的に栄養相談を利用してもらいたいと思います」

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