ベッカムが骨折して使用 歯の「超音波治療」で骨を増やす

歯周病やインプラント治療で力を発揮(八重洲歯科クリニック提供)

 実際、朝日大学歯学部口腔機能修復学講座の梶本忠保氏の「インプラントの治療における超音波治療の有用性」という論文では、発振周波数が1.0メガヘルツでは約1.7倍、3.0メガヘルツでは約3.7倍の新生骨組織形成量が観察されたという。

 また、インプラント治療では埋入した人工歯根が骨としっかり結合する必要がある。そのときも、超音波治療は大きな役割を果たす。歯の超音波治療機の製造・販売会社の元社員である小坂啓氏が言う。

「動物実験では、超音波治療を施した群は、そうでない群に比べて、人工歯根と骨との接触面積や引き抜き試験での強さが2~3倍上回ることが分かりました。超音波治療を併用すれば、歯周病やインプラント治療の成功率は格段に上がるのです。ところが、多くの歯科医師はそのことを知らない。残念です。私の身内がインプラントするなら、必ず超音波治療を受けさせると思います」

 この治療法は公的保険が利かない。木村院長の歯科クリニックでは1回5000円だというが、費用は医院によって違う。関心がある人は自由診療の歯科医に尋ねてみることだ。

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