数字が語る医療の真実

がん検診の4つの行く末

 しかしこの意見に対し、意外な見解を述べる人がいました。「私にとっては、がん検診を受けてがんで死ぬのが最高だ。人生は結果を求めて生きているわけではない。プロセスが重要。がんで死ぬとしても、『がん検診を受けてそれと闘う』というプロセスこそ人生なのだ」と、その人は言うのです。

 先の芸人さんに、ぜひとも知らせてあげたい意見です。ただ、その芸人さんがどんな名前だったのか、まったく覚えていないので、知らせようもないのですが。

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名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。