Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

予備軍も死亡率上昇 糖尿病でがんの人は大学病院がベスト

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ご存じのように抗がん剤には吐き気や嘔吐などの副作用があり、その予防薬としてよく使われるステロイドには、血糖値を上昇させる副作用が知られています。その点でも、大学病院は糖尿病内科などを併設していますから安心でしょう。

 糖尿病の人は、心臓をはじめ血管の病気を抱えていることも多く、循環器科のサポートが必要になることもあります。大学病院なら、循環器科の専門医もいます。

 糖尿病の人は、食生活や運動などを見直すことはもちろんですが、万が一、がんになったら病院選択も重要。その理由がここにあるのです。高齢社会の今、糖尿病をはじめさまざまな病気を持つがん患者は、大学病院がおすすめです。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。