点滴で中心静脈から栄養を受けながら、彼女はこう訴えます。
「もう抗がん剤治療も効かなくなってしまいましたが、実は私、内緒でアメリカからサメの軟骨を買って家で飲んでいました。いまはもうのみ込めないので、軟骨の粉を水に溶かして、お尻(肛門)から入れて欲しいのです。きっと吸収されて効いてくれるはずです」
長い間、ずっとサメの軟骨を飲んでいて、それでもがんが悪くなってしまったのに……。
病院で「もう治療法はない」と言われ、「何か他の治療法はないか?」とセカンドオピニオンを求めて来られる患者さんは絶えません。新しい治験薬も該当せず、他に治療法がない場合、決まって聞かれるのは「代替療法」のことです。サプリメントのようなものから、がんが消える食事レシピ、○○キノコ、がんに効くビタミン……。いろいろな種類の治療法について質問されます。
がんと向き合い生きていく