ところが、大腸がんは患者数も死亡数も増え、昨年は14万7200人が発症し、5万1600人が亡くなったと予測されています。米国の死亡数予測は5万260人と、ピーク時の半分程度になっているのとは対照的でしょう。
なぜか。大腸がんは運動不足や肥満、肉の食べ過ぎなどメタボな生活が大きな原因。欧米型のがんの典型で、メタボの広がりとともに急増しているのです。もうひとつは大腸がん検診の受診率が2割と低いこと。これも米国の半分以下です。
その2つが重なって、人口は米国の半分程度の日本で、米国に匹敵する人が大腸がんで命を落としているのです。検便に抵抗があっても、ぜひその考えを改めるべきといえるでしょう。
仮に検査結果が陽性でも、すべてが大腸がんとは限りません。ポリープや痔の可能性もよくあります。しかし、3割程度の確率で見つかるポリープは、がん化の恐れがありますから、早いうちに内視鏡で切除すれば、大腸がんの“芽”を摘み取ることができます。
Dr.中川のみんなで越えるがんの壁