ドキュメント「国民病」

【続・変形性膝関節症】「ちゃんと歩けるって幸せです」

自転車にも乗れた!(提供写真)

■手術は怖くない

 20世紀の整形外科分野では最も発展した手術といわれ、このデータを用いて痛んでいる膝の骨部分を切り取り、インプラント(素材はセラミックなど)を設置する。斎藤准教授の解説によると、「虫歯の治療と思ってください。虫歯の痛い部分を削り、曲がった歯を真っすぐにし、そこに金歯をきっちりとかぶせるイメージです。皆さん、関節をブロックで大きく切り出し、大きな人工関節を埋め込むと誤解をしているようです。しかし変形性膝関節症の手術は、決して怖い手術ではありません」。

 病院や医師によってやり方は異なるが、一般的には変形性膝関節症の手術は、片方をまず手術し、少し日を置いてもう片方の手術を行う。

 片方に要する手術時間は約1時間半程度だが、斎藤准教授は両方同時に手術を行う。

 これまで40歳から88歳までの患者を手術しているが、失敗したケースは一度もない。斎藤准教授を「神様」と呼ぶ元患者がいる。

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