「脂肪がたまっているだけの脂肪肝であれば食事制限や運動で正常な肝臓に戻すことはできますが、厄介なのは炎症を伴う場合(非アルコール性脂肪性肝炎=NASH)です。肝細胞に中性脂肪がたまり続けて風船化すると、細胞死が起こります。その後始末のために肝臓内の貪食細胞や血液中から単球と呼ばれるマクロファージが集まってきて炎症を起こします。と同時にこれらの貪食細胞等が炎症を起こすサイトカインを分泌させ、それが肝臓の再生とともに線維化にも関係する肝星細胞を活性化させるのです」
■炎症を伴う5~10%が10年以内に肝硬変
こうなると、肝細胞の修復と線維化が繰り返されながら肝硬変となり、場合によっては肝がんを合併してしまうという。
「炎症を伴う脂肪肝の5~10%が10年以内に肝硬変を起こすことが知られています」