これで「物忘れ」は怖くない

年を取るとなぜ物忘れが増える? 脳神経外科医に聞いた

あれ?何だっけなあ…(写真はイメージ)/(C)日刊ゲンダイ

 実は、記憶がため込まれるのは海馬ではない。外部から入力された情報はいったん海馬に集められ、取捨選択される。眞田クリニック(東京・大田区)の眞田祥一院長が説明する。

「重要な情報は大脳皮質に保管され、そうでない情報は海馬に一時保管された後に消去されます。つまり古い記憶は前頭葉や側頭葉などにあり、新しい記憶は海馬にあるのです」

 その海馬の神経細胞が「ゴミ」のせいで死滅、もしくは機能低下するから、高齢になると新しいことを覚えづらくなる。

「神経細胞は3歳を過ぎると増えることはなく、減る一方です」(眞田院長)

 物忘れは年を取ればだれにでも起こり得る老化現象なのだ。過度に心配せず、前向きに対処しよう。

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