愛知県は三重県よりも重症患者の割合が高い、というのは考えにくい話。処方量の違いは、主に医師の治療スタンスの違いを反映しているのかもしれません。三重県の医師は食事・生活習慣改善派、愛知県は薬剤コントロール派が大勢いるということでしょうか。
とはいえ日本糖尿病学会が「治療ガイドライン」をつくって普及に努めているので、本来ならこれほど大きな違いは生じないはずです。がん治療に関しては、都道府県格差は大問題とされ、治療の「均てん化」が喫緊の課題とされています。しかし糖尿病のようなありふれた病気ですら、大きな差異が見られるのですから、がんに限らず医療の均てん化は難しいということでしょう。
処方量が違えば、当然クスリ代も違ってきます。愛知県は患者1人当たり年間15万8000円分のクスリを使っています。他の県でも14万円前後を消費しています。一方、三重県では患者1人当たり8万1000円を使っているに過ぎません。他の県も8万円台から9万円台にとどまっています。仮に治療効果が同じなら、患者にとってはクスリも支払いも少ないほうがいいはずです。
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