免疫力アップと注目だが 「ファイトケミカル」の落とし穴

植物由来だからといって必ず安全というわけではない(C)日刊ゲンダイ

「ファイトケミカルは薬、お酒、たばこと同じで生体にとってゼノバイオティクス(異物)です。その種類が極度に多いので個別の代謝酵素でなく、第1相解毒、第2相解毒というゼノバイオティクス共通の2つの装置によって代謝されます。そのため、人種や個体により吸収・分解の能力に大きな差があります。その結果、期待したようなメリットが表れず、健康被害となる恐れもあるのです」

 例えば、トマト、ワイン、ナッツなど、多くのファイトケミカルを含む地中海料理は世界一健康的な食事といわれる。しかし、それは白人に限っての話。日本人やハワイの原住民などに同じ効果が期待できるわけではない。

 その原因は遺伝子にある。日本人は飢餓耐性の遺伝子があり、白人と同じような量を食べると肥満になってしまう。

 遺伝子より塩分感受性が強いため高血圧になりやすい。地中海料理の特徴のひとつであるワインはアルコールの分解能力の低い遺伝子を持っている大多数の日本人には取りづらい。無理をすると強い二日酔いに見舞われる。乳糖を吸収・分解する能力が低い日本人は牛乳を取ると下痢などの消化器障害を起こすことがある。

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