緩和医療の前に期待 がん眠らせ長期共存「休眠療法」とは

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 さらに従来の抗がん剤治療では、年齢、がんの状態にかかわらず、身長・体重で一律に投与量を決定。それでは量が多すぎる上、「抗がん剤が効く量には個人差がある」ことも分かった。血液検査や画像検査などを駆使しながら、各患者の“効く量”を探る。

「“継続投与”“副作用をグレード2までにする”“個人差を考えた投与量”の3つが、がん休眠療法の基本方針。標準治療の抗がん剤治療は不可能とされた高齢者、ほかの疾患を持っている人、進行・再発の末期がんの人も受けられます。月単位の余命を宣告された膵臓がんの患者さんが、がん休眠療法で5年生存した例もあります」

 保険適用内の抗がん剤であれば、がん休眠療法であっても保険適用。

 都内で11年前からがん休眠療法を行う銀座並木通りクリニック・三好立院長は「ここが誤解を招きやすい点ですが、治す治療法ではない。引き分けを目指す治療法。治療の目的を引き分けとし、引き分け続ければ人生は継続できる」と言う。

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