楽しそうなのは父だけだ。現状としてはほぼ歩けず、車椅子で移動、夜はポータブルトイレを使用。下剤に頼らないとお通じもない。デイサービスに行っている間は母も解放されるかと思いきや、汚れたズボンとシーツの洗濯、通じない会話、巨体を洗って拭いての毎日。イライラと疲労はたまりにたまって鍾乳洞のようになっていた。
ごめん、そこは母に任せきりだったよ、私も。
そして2018年1月末。ついこの前のことだ。父が外出時に転倒し、頭を強打。救急車で運ばれた病院で、検査したものの異常なし。ところがマスクもせずに病院にいたものだから、インフルエンザに感染したのである。無知と無謀を嘆いても仕方ない。高熱で手足は萎え、一時期寝たきり状態になったのだ。
最悪なことに、介護していた母も発熱。完全に家庭内感染である。
実録 父親がボケた