実録 父親がボケた

<4>ボケてテレビ三昧 筋力低下で浴槽から出られなくなった

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 ボケたのをいいことに、父のプライベートをさらけ出して銭に換える鬼畜の所業。それが私のなりわいである。父が嫌いなワケではない。むしろ好きだ。尊敬もしてきた。でも介護はしない。「ドクターX」の米倉涼子ではないが「一切いたしません」。介護はプロに任せるほうが父も快適だと考えている。

 そこに立ちはだかったのは、母の「昔気質の面倒見のよさ」だ。父の粗相は増え、日常生活でできることがどんどんなくなっていく。自力でやらせればいいことも、母が先回りしてやってしまうのだ。

 皿くらい下げさせればいいのに、母がさっさと片付ける。尿で濡れたズボンは手取り足取り着替えさせ、靴下までもはかせてやる。

 昭和初期の女はこれだから厄介。いや、諸悪の根源は昭和初期男だな。モーレツに働く代わりに、上げ膳据え膳で生きてきた甘えん坊将軍め。メシフロネル族の男は要注意だ。

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吉田潮

1972年生まれ、千葉県出身。ライター、イラストレーター、テレビ評論家。「産まないことは『逃げ』ですか?」など著書多数

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