口コミで1万人超が VRで認知症を疑似体験してわかったこと

VR認知症体験会は30人から(C)日刊ゲンダイ

 体験してみた。①は、気がつけば高いビルの屋上、足を踏み出せば、はるか下の道路に転げ落ちそうだが、左右の男女は笑顔で「降りますよ」「大丈夫ですよ」と言う。ええっ、落ちて死んじゃうよ! 恐怖がこみ上げてきたところで違う画面になり、そこは高齢者ホームの玄関前。送迎バスで外出先から帰ってきたところだと分かる。

 ②は、電車の中で「今どこ? どこに向かっている?」と分からなくなる場面。駅員が「どこに行きたいのか?」と聞いてくれるが、なんて答えていいか分からない。

 ③は、友人の家を訪れたところから始まる。友人が笑顔で迎えてくれるのだが、ドアを開けたところ、部屋の片隅など、そこかしこに背中を向けて立つ男性、膝を抱えて座る男性……。家主も、そこで待っていた友人2人も気付かない様子だ。視線を動かすたびに“みんなが見えていないもの”が現れるので、ずっと不安で落ち着かない。

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