認知症だと思っていたら肝性脳症 その症状と検査法を知る

1月に岡山で起きた事故現場(C)共同通信社

 高齢者による自動車事故が相次いでいる。“隠れ認知症”などがその原因だが、それとは別にチェックすべきなのが肝機能だ。

 認知症患者は2025年には730万人になるといわれている。大半はアルツハイマー型や脳血管性型など脳疾患による認知症だが、10%を占めるとされているのが、原因不明の認知症だ。

 この10%に該当するのが「認知症との鑑別が必要な疾患」とガイドラインに記載される疾患。ビタミン欠乏症、甲状腺機能低下症、神経梅毒、特発性正常圧水頭症、そして肝性脳症で、肝性脳症は「肥満の増加から、特に今後増えるだろう」と注目されている。

「肝機能が低下すると慢性肝炎から肝硬変、肝臓がんと進んでいきます。このうち肝硬変の段階で起こしやすいのが肝性脳症。初期では睡眠障害、物忘れ、意識障害などがあり、症状が認知症と非常に似ています」

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