生活と健康 数字は語る

「健康」も「見た目」も平均は嫌悪され極端が目指される

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 少なくとも、多くのモデルが平均的な体形となって、健康を重視するという方向には抵抗があるのではないでしょうか。そこには一般の世の中では見ることのできないものに価値をおくという基本的な原理があるように思えてなりません。出てくるモデルの誰もが、どこでも見かけるような体形をしていたら、誰もそんなファッションショーを見に行かなくなるのではないでしょうか。

 健康も、見た目も、平均が嫌悪され、極端が目指される。そうまとめると、肥満や痩せと健康のねじれの問題も、案外極端な健康志向と同じことなのかもしれません。

2 / 2 ページ

名郷直樹

名郷直樹

「武蔵国分寺公園クリニック」名誉院長、自治医大卒。東大薬学部非常勤講師、臨床研究適正評価教育機構理事。著書に「健康第一は間違っている」(筑摩選書)、「いずれくる死にそなえない」(生活の医療社)ほか多数。

関連記事