がんとは何か

<13>若い人のがんはたった一つの遺伝子変異で発症する

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「2つの染色体がつながるとき、それぞれの切り口にあるBCR遺伝子とABL遺伝子が融合してBCR―ABL遺伝子が生まれます。この遺伝子によってつくられるBCR―ABLタンパクは、白血病細胞を増やす指令を出し続けるため、白血病細胞が増え続けるのです」(一石教授)

 たったひとつの遺伝子変異でがんになるということは、それだけ強力な発がん要因であるということ。がんは年寄りに多い病気といわれるが、若い人でもがんになるのは、ドライバー遺伝子1個の変異でがんになるからでもある。また、「がんは遺伝子の病気」といわれるが、実は染色体の異常でもがんになるのだ。

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