子作り治療 最前線

無精子症でも精巣から精子を直接取り出せば子供はできる

(写真はイメージ)(C)日刊ゲンダイ

 同院がこれまで実施してきたMD―TESEの累積症例数は2800例以上で、国内最多。従来のTESEで「精子がない」と言われた人でも、40%以上の確率で精子が見つかるという。

 この治療法によって、原因不明の特発性造精機能障害をはじめ、先天性疾患のクラインフェルター症候群、抗がん剤療法による無精子症の人なども、子供を作る希望が持てるようになったのだ。

 手術は基本的に局所麻酔で陰のうを切開し、精巣を一時的に血管がつながった状態で体外に取り出して行う。

「精巣を覆っている白膜を切開して、精子を形成する精細管を手術用顕微鏡(倍率5~40倍)を使ってつぶさに観察します。精子がいそうな精細管は『太い、白濁、蛇行している』という特徴があるので、それを特定して数十~100ミリグラム程度採取するのです」

 精細管を採取したら、手術室内ですぐに精子の有無の確認作業に入る。

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