意外に多い人獣共通感染症 犬猫に噛まれたらどうすべき?

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

■狂犬病やマダニにも要注意

 犬で気になるのは狂犬病だ。日本では61年以上発症例はないが、発症すればほぼ100%亡くなる怖い病気。しかも、狂犬病ウイルスは犬だけでなくキツネ、アライグマ、コウモリからも感染し、世界中で毎年5万人近くが亡くなっている。海外では不用意に犬や野生動物に近づかないことだ。日本では予防ワクチンの義務化や防疫体制のおかげで幸い発症例がないものの、今後もゼロのままでいけるとは限らない。

 北海道の港湾で外国船の犬の不法上陸が多いことから北からの狂犬病の侵入や、輸入時に検疫拘留のない小動物からの侵入も懸念される。

 東京大学の研究チームは狂犬病のワクチン接種を現行の1年から2~3年に1度でもいいと提言しているが、ワクチン接種そのものを不要といっているわけではない。犬、猫に共通の人獣共通感染症であるカプノサイトファーガ・カニモルサス感染症は、噛まれたり、ひっかかれることによって感染し、発熱、下痢、全身倦怠感、敗血症などを引き起こす。

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