糖尿病の急激な悪化は新疾患「IgG4関連疾患」の疑いあり

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 つまりIgG4関連疾患そのものは良性であるが、炎症の場所によっては命にかかわる病気につながりかねない。IgG4関連疾患の存在がはっきりした今は、慎重にチェックし、もし該当し何らかの症状があるようなら、適切な治療を行わなければならない。

 たとえば、IgG4関連疾患である自己免疫性膵炎なのに膵臓がんと誤診して切除をすれば、過剰医療になるのはもちろん、IgG4関連疾患の治療は行われていないので、「また自己免疫性膵炎が起こる」あるいは「違う臓器に炎症が起こる」可能性がある。

 IgG4関連疾患は中高年男性に多い。血液中のIgG4の増加の有無を調べれば多くの例で分かる。受診すべき科は、消化器疾患では膵臓と胆道の専門診療科、それ以外は眼科、耳鼻咽喉科、リウマチ・膠原病科など。治療は、ステロイドの投与だ。

「IgG4関連疾患はステロイドでほぼ全例が改善しますが、ステロイドの減量や中止で再燃する例が20~30%ある。再燃を予防するために、少量を3年を目安に投与し続ける例も少なくありません」

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