失明リスクの高い目の病気

糖尿病網膜症 糖尿の進行と視力の状態は必ずしも一致しない

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

「平成28年国民健康・栄養調査」によると、糖尿病を「強く疑われる」「その可能性が否定しきれない」人の数は、ともに1000万人です。糖尿病網膜症は、その合併症のひとつです。糖尿病発症から10年以上で発症し、視力低下や視野欠損・失明などの視覚障害があらわれます。20~60代の中途失明原因の上位に常に位置し、年間3000人が新たな視覚障害者として認定され社会福祉の対象になっています。

 糖尿病網膜症は一度発症すると元に戻せません。いかなる名医、薬、サプリメントも進行を緩やかにするだけです。だからこそ、早期発見、早期治療が重要です。糖尿病と診断されたらすぐに眼科の定期診断を始めましょう。

 この病気は3段階で進行します。まずは「単純網膜症」です。網膜の血流が低下して、毛細血管の壁がもろくなり、小さな血管の瘤ができたり、「硬性白斑」と呼ばれるタンパク質や脂質の白い染みができたりします。

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清澤源弘

1953年長野県生まれ。東北大学医学部卒、同大学院修了。86年仏原子力庁、翌年に米ペンシルベニア大学並びにウイリス眼科病院にフェローとして留学。92年東京医科歯科大眼科助教授。2005年から現職。東京医科歯科大臨床教授兼任。日本眼科学会専門医、日本眼科医会学術部委員、日本神経眼科学会理事など。

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