若者だけじゃない…「性嫌悪症」は中高年にも広がっている

男女の違いを理解して妥協点を見いだす

 だからこそ、性教育は子供の成長に合わせて親が家庭で行うべきだと塚田院長は言う。

「子供の数が減り、子供同士の交流が激減しているいま、性は自然と覚えるものと考えるのは無理がある。照れくさいのなら、女の子は初潮を迎えたタイミングで日本性科学会所属の産婦人科医を、年頃の男の子は同会所属の医師を親が紹介するのも手です」

■“近親者”から再び“妻”に変える方法は?

 性嫌悪症は結婚してから発症するケースもある。「汚らわしい」「恥ずかしい」「野蛮」という思いが強くなり、夫が触れようとするとその手を払いのけるだけでなく、気持ち悪くなって吐き気を催す場合もある。その原因はさまざまだが、性交についての考えの違いや誤った思い込みから発症することもあるという。

「男性はハグもキスも挿入までの過程に過ぎず、挿入なしに性交は終わらない。それは本能で仕方がないのですが、女性は必ずしもそうとは限りません。スキンシップだけでも十分満足できる女性はかなり多い。女性の場合、閉経などで性交前に濡れることが少なくなると挿入時に性交痛が表れます。それが嫌で性嫌悪症になる人もいるのです。ある男性は結婚以来、妻を喜ばそうと毎週末、夜の営みを続けていました。ところが最近、妻から『痛いだけで苦痛』と聞かされショックを受けていました」

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