若者だけじゃない…「性嫌悪症」は中高年にも広がっている

男女の違いを理解して妥協点を見いだす

 こうした性交についての考えのギャップを埋めるには、秘密保持を義務付けられている精神科医や心理カウンセラーなどの下で、性行為についての妥協点を話し合うことだ。

「専門的なアドバイスを得ながら互いに性交渉に前向きの意思を持ち、男女の性の違いを理解して妥協点を見いだせれば、そこを出発点として性嫌悪症は治癒できる確率は高くなります」

 セックスレス夫婦で多いのは長年の結婚生活で「夫と妻」の関係が、「母と息子」「兄弟姉妹」の関係に変わってしまったケースだ。

「母親のような妻、弟のような夫とセックスすることは近親相姦がイメージされ、恐怖心が芽生え敬遠してしまうのです。この場合は、妻との性交を想像して自慰をしたり、服を着た状態でのスキンシップを高めるなどして徐々に心の壁を取り除くことが大切です」

 性嫌悪症の治療は決して簡単ではない。塚田院長の経験でも1年間治療に通っても完治するのは10組に1組程度だという。

 むろん、セックスがなくても、カップル双方が苦痛でなければ問題ない。しかし、不満があるのなら、それを治療する方法があることは知っておいた方がいい。

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