人生100年時代を支える注目医療

健脳ドックはアルツハイマー病リスクを早期予測し脳を守る

新井平伊医師(C)日刊ゲンダイ

 発症までは「発症リスクあり」「前駆状態」「軽度認知症(MCI)の疑い」の3段階ある。この期間に健脳ドックの検査結果に基づいて、生活改善や生活習慣病治療など認知症の専門医が早期から予防介入できる仕組みになっている。

「認知機能の低下はあるが自立した生活ができるMCIの状態でも、発症を遅らせる2次予防に取り組めば10~20%は元に戻る患者さんがいます。また、初期認知症の状態で見つかっても、早く治療を開始すれば効果が出やすく、自立した生活を長く続けられるのです」

 ただし、アミロイドPET検査は保険適用外で、現状では主に大学病院の研究を中心に行われている特殊な検査。しかも検査薬は使用できる時間が限られ、検査のたびに製造する必要があるので高額になり、同院の健脳ドックは通常1回受ける場合の費用は60万円(税抜き)もする。

 さらには、優先して健脳ドックを定期的に受診できる「丸の内倶楽部(個人・法人)」という15年会員制(入会金50万円、預け金150万円)もある。この場合には、1回目無料、2回目以降(配偶者も)は1回30万円。どんな理由で設けられたのか。

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