病み患いのモトを断つ

発生件数ノロ以上 カンピロバクター食中毒はこう撃退する

鶏肉は中までよく火を通して

■持ち帰り総菜はレンジで加熱

 厚労省の「食中毒発生状況」によると、1998年の原因物質別の発生状況は、腸炎ビブリオとサルモネラ菌で半数を超え、カンピロバクターは“泡沫”だったが、2018年は細菌部門のトップ。ウイルスを含めても、悪名高いノロを63件も上回る319件。寄生虫のひとつ、アニサキス(468件)に次ぐ多さである。

 その割にあまり注目されていないのは、散発的な発生が多いため。潜伏期間が1~7日と長く、原因を特定しにくく、同じものを食べても発症する人としない人がいて、食中毒と思われにくいためだという。肉フェスのような集団発生は、まれなのだが、そこに予防のヒントが隠されている。

 肉フェスで“大事故”を起こしたメニューは、ささみ寿司だった。

「鶏肉のカンピロバクターによる食中毒は、鶏刺しやタタキなど生食や加熱不足がほとんどです。カンピロバクターは肉の表面だけでなく、内部にまで入り込んでいます。ジューシーさを残すためや、つくねや唐揚げなども中心部は生のことが少なくありません。それで感染する恐れもある。鶏料理を食べるなら焼き鳥や照り焼き、水炊き、サムゲタン、タンドリーチキンなど中心部までしっかりと火を通すものが無難です」

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