Dr.中川のみんなで越えるがんの壁

がん別にズバリ 職場検診と自治体検診の効果的組み合わせ

肺のX線検査だけでなく喀痰検査も

 先ほど職場検診でのがん検診受診率が6割と書きましたが、その3つは男女共通のがん。乳がんと子宮頚がんは3割にとどまります。女性は、受診率が低い。女性に非正規社員の割合が高いことと関係していると思われますから、パートナーの女性が職場検診を受けていなければ、ぜひ自治体検診の受診を勧めてください。

 自治体検診のお知らせには、複数の医療機関が掲載されています。岐阜市のがん検診では、「要精密検査」だった判定を「異常なし」として通知する誤判定が明らかになっただけに、掲載リストの病院の良しあしが気になるかもしれません。自治体の管理体制のズサンさも心配でしょう。それでも自治体検診はやっぱり受けるのがベター。どこがいいかを気にするより、経年的な比較が大事なので、同じ施設で継続的に受診することが大切です。

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中川恵一

中川恵一

1960年生まれ。東大大学病院 医学系研究科総合放射線腫瘍学講座特任教授。すべてのがんの診断と治療に精通するエキスパート。がん対策推進協議会委員も務めるほか、子供向けのがん教育にも力を入れる。「がんのひみつ」「切らずに治すがん治療」など著書多数。

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