ストレス社会の生き延び方

「好きな遊びを好きなだけ」子供が引きこもらない育て方

写真はイメージ

 では、非認知能力はどのようにすれば身に付けられるのか。

「未就学児であれば、好きな遊びに集中して取り組ませてあげること。親と一緒に絵本の読み聞かせや、料理・掃除・片づけなどをする。そして、許容範囲内で失敗も経験させること。就学後はさまざまな体験活動を継続させる。学校や地域における好きなクラブ活動などで、仲間たちとともに、挑戦・成功・失敗などの体験を継続することで、周囲との協調や思いやりを含めて身に付けられるのだと思います。好きな遊びや部活動、絵画やボーイスカウトなどの活動を続ける。好きなことに仲間たちとともに継続的に没頭する中で感情(好きや楽しさ、達成感や悔しさ、協力や思いやり)のサイクルが自然と回り、非認知能力は育ちます」 単純に言えば、知育教育(読み書き)の塾より、サッカー教室などに通わせた方がいいのかもしれない。

 ちなみに、殺害された元事務次官の長男はツイッターに「勉強をしたくないのに、勉強をしていた」「勉強をしなければ、母親におもちゃを壊されるという教育を受けていた」と書き込んでいた。 =構成・中森勇人

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武神健之

武神健之

東京大学医学部大学院卒。一般社団法人日本ストレスチェック協会代表理事。年間1000件の健康相談、ストレス・メンタルヘルス相談を行う。著書に「職場のストレスが消える コミュニケーションの教科書 上司のための『みる・きく・はなす』技術」(きずな出版)などがある。

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