医者も知らない医学の新常識

英専門誌で報告 睡眠不足は人間関係を妨げ仕事にもマイナス

写真はイメージ(C)日刊ゲンダイ

 仕事が忙しいと、どうしても睡眠時間を削って、仕事をするということになりがちです。睡眠不足が続けば、体はだるくなり、風邪などもひきやすくなることは、皆さんも実感があるのではないかと思います。つまり、当たり前ですが睡眠不足は体によくありません。

「そんなことを言っても、仕事が終わらないのだから仕方がないじゃないか」と言われるかも知れません。しかし、実は睡眠不足は意外に大きな影響を、仕事自体にも与える可能性があるのです。

 2017年の英国王立協会が刊行する自然科学の専門誌に、興味深い研究結果が報告されています。2日間4時間の睡眠しか取っていない時に顔写真を撮影して、それを関係のない122人に評価してもらったところ、十分に睡眠を取った時の写真と比較して、その人と関わりたくない、と思う人が多くなっていました。

 個別の特徴で見ると、寝不足の人は当然眠そうに見え、それに加えて魅力がなく、不健康にも見えていました。ただ、こうした特徴だけで、その人と関わりたくない、という判断がされていたわけではなく、科学的に分析できないことを、人間の脳は瞬時に判断して、そうした結論を出しているようなのです。2日くらい徹夜をしても、それだけ早く仕事が終われば、周囲の人の評価も上がるように思いがちですが、睡眠不足はそれ自体が人間関係を妨げ、仕事にマイナスの影響を与えるのかも知れません。

石原藤樹

信州大学医学部医学会大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

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