病気を近づけない体のメンテナンス

【耳】ヘッドホン難聴に要注意 11億人の若者に難聴リスク

外部の音が聞こえる程度ならOK(C)日刊ゲンダイ

「耳小骨から内耳に伝えられた音は、今度は蝸牛という器官に伝わります。蝸牛はカタツムリのような形をしていて、内部には音を感知する有毛細胞がびっしりと並んでいます。有毛細胞の一つ一つは特定の音にしか反応しないようになっていて、蝸牛の入り口の方から高い音を感知する細胞、奥に行くほど低い音を感知する細胞と、決められた順番通りに並んでいます。そして、感知された音は電気信号に変換され、聴神経を経て大脳へ送られます。音響外傷は、大音量によって有毛細胞が障害されてしまうのです」

 ロックコンサートやクラブなどで耳が痛いと感じるほどの大音量を聴いた後、「ツーン」という耳鳴りとともに聞こえが悪くなった経験をしたことがある人は多いはず。これも一過性の音響外傷だが、難聴の程度が軽ければ、時間が経てば有毛細胞は修復されて元に戻る。しかし、やっかいなことに、一度障害されてダメになった有毛細胞は、いまの医学では治すことができない。聞こえの悪さや、耳鳴りが一生残ってしまうという。

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