「コンサートなどのイベントに出掛けるときは、音を軽減させるスポンジ製などの耳栓を持っていくのがいいでしょう。耳が痛いと感じたら、難聴になる危険信号です。その後、翌日になっても耳の痛みや耳鳴り、耳閉感などの症状が続いているようなら受診するべきです」(八木部長)
ただし、明らかな大音量でなくても音響外傷を起こすこともある。それがWHOが懸念しているスマートフォンなどの携帯機器でヘッドホンやイヤホンを介して起こる音響外傷。いわゆる「ヘッドホン難聴」だ。耳鼻咽喉科・日本橋大河原クリニック(東京都中央区)の大河原大次院長がこう警告する。
「毎日のようにヘッドホンやイヤホンで大きめの音を長時間聴いていると、蝸牛の有毛細胞が、徐々に傷つけられていきます。また、耳に密着させているので、通常は空気に伝わる過程で弱まるはずの音の周波数が高いまま直接耳に伝わり、思っている以上に、内耳にダメージを与えているのです」
病気を近づけない体のメンテナンス