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【耳】ヘッドホン難聴に要注意 11億人の若者に難聴リスク

外部の音が聞こえる程度ならOK(C)日刊ゲンダイ

■外部の音が聞こえる程度ならOK

 周囲がうるさい電車内や人混みで聴くことが多いので、無意識のうちにボリュームが大きくなりやすい。今年、WHOと国際電気通信連合は共同で、安全利用の目安を「大人で音量80デシベル、子供で75デシベルを1週間に40時間まで」とし、国際基準として公表した。そして、機器にどの程度の音量をどれくらい聴いたかを明示する機能を付けるべきだとしている。

 80デシベルといえば、「走行中の電車内」「救急車のサイレン」「パチンコ店内」と同等の騒音の大きさとされている。しかし、現状では自分がどれくらいの音量で聴いているのか、おそらく見当がつかないだろう。では、どんなことを心掛ければいいのか。

「音量の目安は、ヘッドホンやイヤホンを着けても、外部の会話が聞こえる程度に調整することです。そして、連続して聴いている時間は、1時間半を超えないことが大切です。1時間ほど聴いたらヘッドホンを外して、最低5分程度は耳を休ませてください。また、周囲への音漏れの問題はありますが、耳穴を強めに圧迫するタイプのイヤホンは避けた方が安全です」(大河原院長)

 大音量でなくても耳鳴りや耳閉感があれば、難聴を疑い、受診。

 内耳へのダメージの蓄積は、加齢で起こる老人性難聴の発症を早めることになるので注意しておこう。

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