国内企業初の遺伝子治療薬で糖尿病の足切断は回避できるか

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 アンジェスの代表取締役社長である山田英氏は、「既存の方法では治療が困難な患者さんに貢献するもので、大変喜ばしい。国内においては、閉塞性動脈硬化症の安静時疼痛の改善についての適応拡大をめざし、臨床試験などを実施していく予定」とコメント。米国ではすでに、FDA(米国の厚労省)からファストトラック指定を受けている。ファストトラック指定とは、必要性の高い新薬の審査を優先的に行う制度。つまり、それだけ期待されている治療薬ということだ。

 閉塞性動脈硬化症は、高齢、男性、糖尿病、喫煙、高血圧、高脂血症などに該当する人にリスクが高い。特に糖尿病の人は、閉塞性動脈硬化症による足の切断の頻度が何倍も高い。糖尿病患者が増えていることを考えると、HGF遺伝子治療薬の登場が非常に大きな意味を持つものであることは明らかだ。

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