患者も知らないAPD

テレビドラマ、会議、電話、飲み会での言葉が聞き取れない

「ミルディス小児科耳鼻科」(東京・北千住)院長の平野浩二氏(提供写真)

「テレビも、バラエティーとかドラマは本当に分からないですね。バラエティーはテロップが時々出るけど、ドラマは何を言っているか分からない。同じ理由で日本映画もダメなので、いつも洋画を字幕で見ています」

 平野医師が解説する。

「APDの人に多く見られる特徴として、騒音下で聞き取れなくなる、複数人の会話が聞き取れない、話すスピードが速いと理解できなくなる、電話や無線などが聞き取れない、横や後ろから話されると分からない、といったことがあります。人と並んで歩いているときに横から話されても何を言っているか分からないので、歩いているときには一切しゃべらない、という人も結構いますね」

 聴力に問題はないのに、そのようなさまざまなシーンで言葉が聞き取れないことに長年悩んできたのが、APDの人たちなのだという。

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