患者も知らないAPD

明確な治療法がなく生活上の不便を解消するテクニックが重要

「ミルディス小児科耳鼻科」院長の平野浩二氏/(提供写真)

「それでも、最近APDの人たちが、ツイッターなどネットで情報交換をするようになり、当事者会なども各地で開かれているので、そういったところに足を運んで、仕事を続けるノウハウを教えあうこともできるでしょう。具体的には、ノイズキャンセリングイヤホンという、雑音をカットするイヤホンを耳につけると、聞きやすくなるというケースもあります。ただ、これも雑音ではない音もカットしてしまう場合がありますし、そもそも職場の理解がないと、仕事中に音楽を聴いていると思われて注意されてしまいますから、使い方に注意が必要でしょう。また、UDトークというスマホ用のアプリは、音声を自動的に文字に変換してくれるアプリで、ほぼ無料で使うことができます。これからは、こういったツールもAPDの人たちを助けるものとして、さらに広まっていく可能性は大きいですね」

 まずは、APDに関する周知が進み、患者さんが自身の症状から病名を知ったうえで生活上の不便を克服するテクニックを身に付けることが大切だ。それと共に、その患者さんが必要な配慮を普通に受けられるよう、世の中が変化していくことが求められている。

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