役に立つオモシロ医学論文

患者の半数は健康を脅かす重大な問題を医師に伝えていない

写真はイメージ(C)PIXTA

 解析の結果、4つの健康を脅かす重大な問題のうち1つ以上を経験しているにもかかわらず、診察時に医師へ伝えていなかった人は、データベース(①)では47・5%、データベース(②)では40%に上りました。情報を伝えない主な理由は、「恥ずかしさ」が最も多く、2つのデータベースともに7割を超えていました。また、「批判的意見や説教をされたくない」「面倒なことを避けたい」という理由が2つのデータベースともに5割を超えるという結果でした。特に若年者や女性で情報提供を積極的にしない人が多いことも示されています。

 適切な医療サービスが提供できるよう、医療者は患者とのコミュニケーションのあり方を、いま一度振り返る必要があるかもしれません。

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青島周一

青島周一

2004年城西大学薬学部卒。保険薬局勤務を経て12年9月より中野病院(栃木県栃木市)に勤務。“薬剤師によるEBM(科学的エビデンスに基づく医療)スタイル診療支援”の確立を目指し、その実践記録を自身のブログ「薬剤師の地域医療日誌」などに書き留めている。

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