病み患いのモトを断つ

米で注目の研究結果 高齢者の血圧下げ過ぎは認知症を招く

薬の過剰投与の影響か

「低血圧を90/60未満と定義していますが、高血圧の治療でそこまで下がることは通常、ありえません。しかし、中年期の高血圧で動脈硬化が進んだ人が、降圧薬の効き過ぎなどで血圧が下がり過ぎると、脳の血流が不足し、神経細胞への酸素供給が滞るため、脳の機能は低下する。微小な血管には、脳梗塞も起こしやすい。今回の研究結果は、そんな影響を反映している可能性はあるでしょう」

 ⑤の人は、95・9%が降圧剤を服用していて、3剤併用が最多の44%だから、薬の効き過ぎが見て取れる。

「血圧は日内変動し、朝から昼にかけて高くなって夜間に下がります。その幅も問題で、高齢者だと朝は上(収縮期)の血圧が150前後あっても、寝る前は100を切ることがある。100を下回るのは下がり過ぎ。家庭用血圧計でこまめに血圧を測定し、上の血圧が110を下回らない程度になるように薬を調節することが大切です」

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