性感染症最前線

性感染症にかかりやすい男性は「尿道下裂」の疑いがある

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 どの症例も頻度の高いなじみの性感染症だが、この3人の患者にはある共通点があった。それは「尿道下裂」。尾上泰彦院長が言う。

「尿道下裂とは、男性のペニスの生まれつきの形態異常(奇形)です。外性器の奇形は男女共に大変多く、男性の尿道下裂は約200人に1人ともいわれます。胎児のころの外性器の発育分化の過程で、性ホルモンの分泌や作用に何らかの問題があったと考えられていますが、ハッキリとは解明されていません」

 尿道下裂をひと言でいうと、尿道が尿道口から裏筋に沿って裂けている状態。どれくらい裂けているかは人によってさまざま。程度がひどければ生まれたときに分かるが、程度が軽ければ産婦人科医や両親も気がつかない。大きくなって立ち小便やセックスができれば臨床的には問題ないと考えられている。ただし、性感染症の側面から見ると大きな問題点があるという。

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