進化する糖尿病治療法

糖尿病は早期治療なら生活習慣の改善だけで治る可能性もある

肉もOK。重要なのは量とバランス

 きっかけは、糖尿病と分かる前は週に何度も食べていたラーメン。お気に入りの店の前を通ったら、いい匂いが漂ってきた。ちょうど昼時で空腹だったこともあって、フラフラと入ってしまった。そしてその夜、「昼のラーメンおいしかったなぁ」と、ギョーザ&チャーハン&ラーメンを、また食べてしまった……。

■何でも食べていい 重要なのは量とバランス

 糖尿病は、食べ過ぎたからって、それが日常にならなければ、体に目に見えた変化が起こるわけではない。数値にも大きな変化は出ない。「大丈夫じゃないか」と安心してしまったHさん、その日から暴飲暴食の日々が再開してしまいました。“次”の受診日は、忙しさを理由にドタキャン。以前の食生活に舞い戻り、病院にも行かず半年が過ぎた。妻から「最近、食べ過ぎじゃない? 病院行ってる?」と指摘され、受診したら、やはり数値は上がっていました。

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坂本昌也

坂本昌也

専門は糖尿病治療と心血管内分泌学。1970年、東京都港区生まれ。東京慈恵会医科大学卒。東京大学、千葉大学で心臓の研究を経て、現在では糖尿病患者の予防医学の観点から臨床・基礎研究を続けている。日本糖尿病学会、日本高血圧学会、日本内分泌学会の専門医・指導医・評議員を務める。

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