インフル対策にアルコール消毒と加湿は役立たずに? 医師が感染力を語る

(C)tagstock1/iStock

 インフルエンザ患者が、昨年の5倍の早さで急増している。

 信州大学農学部の河原岳志准教授によれば、インフルエンザは毎年1000万人前後が感染。これは日本人10人に1人に相当する。咳1回でウイルスが5万個、くしゃみ1回でウイルスが10万個ばらまかれる。これらのウイルスは空気中に浮遊するが、2~3時間、感染力を保っているというから恐ろしい。

「最新の研究内容では、粘液中でアルコール系消毒効果が減り、さらに湿度が高くても感染力が下がらないことが分かっています」(河原教授)

 これまでウイルス粒子を賦活化するのに、アルコール消毒が有効だと考えられてきた。ところが、実は長い時間をかけないと意味がなく、アルコール消毒をしても感染力が落ちない。また、ウイルスは湿度に弱いと言われてきたが、湿度を厳密にコントロールした状況でも、ウイルスは感染力を保っていたという。

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