専門医が教える パンツの中の秘密

「包茎」にはカッコ悪いと思う必要のないタイプがある

写真はイメージ

 包茎には大きく分けて「仮性包茎」と「真性包茎」があります。仮性包茎は、普段は亀頭が包皮で覆われていますが、勃起時や包皮を手で引っぱると亀頭が露出する状態になります。真性包茎は、普段も勃起時も亀頭が常に包皮に覆われている状態です。包皮口が異常に狭いか、もしくは亀頭と包皮が癒着しているために包皮が剥けないのです。そして、包皮口が狭いのに無理に剥いて、亀頭が露出したまま包皮が元に戻らない状態を「カントン包茎」と呼びます。

 実は、日本人男性の6~7割は、普段は包皮がかぶっている仮性包茎なのです。だから仮性包茎であるのが普通で、恥ずかしいことではなく、手術を受ける必要もありません。ただし、毎日お風呂で包皮を剥いて、きれいに洗うことが大切になります。

■公的保険が利く手術も

 一方、真性包茎は必ずしも手術が必要というわけではありませんが、亀頭が露出できないときれいに洗うことができないので、不潔になります。亀頭と包皮の間にアカがたまりやすく、嫌な臭いがしたり、痛みやかゆみの原因になる亀頭包皮炎を起こしやすくなります。できれば手術を受けることをお勧めします。

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尾上泰彦

尾上泰彦

性感染症専門医療機関「プライベートケアクリニック東京」院長。日大医学部卒。医学博士。日本性感染症学会(功労会員)、(財)性の健康医学財団(代議員)、厚生労働省エイズ対策研究事業「性感染症患者のHIV感染と行動のモニタリングに関する研究」共同研究者、川崎STI研究会代表世話人などを務め、日本の性感染症予防・治療を牽引している。著書も多く、近著に「性感染症 プライベートゾーンの怖い医学」(角川新書)がある。

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