■3カ月で効果を実感
他にも同じような研究があり、歩行数が多いほど「IPSS(国際前立腺症状スコア)」「QOL(生活の質)スコア」「尿の勢い」が良くなるという。勧められるのは1日に「1時間以上」「5000歩以上」「5キロ以上」のどれかを満たすウオーキング。同じ薬を使った患者でウオーキングを加えた人とウオーキングをしない人では、3カ月間で比較しただけでも改善度が大きく違うという。
また、睡眠中の夜間頻尿がある人は、朝起きたときに毎日、太陽光を浴びるといいという。
「普通は寝ている間は脳から抗利尿ホルモンが分泌されて、腎臓で作られる尿が濃縮され、夜間は日中の半分以下の尿量しか作られません。ところが体内時計がずれていると抗利尿ホルモンの分泌もずれて、日中の尿量が減って夜間の尿量が増える逆転現象が起こるのです。その体内時計のずれは、朝に太陽光を浴びることで正常にリセットされます」
抗炎症作用の成分、運動習慣、抗利尿ホルモン分泌の正常化など、これらの対策は、すべては前立腺肥大に関わる「インスリン抵抗性」と「テストステロン低下」というキーワードにリンクする。次回は、そのメカニズムを解説してもらう。
病気を近づけない体のメンテナンス