「大腸ポリープは、がん抑制遺伝子のAPC遺伝子が異常を来すことで発生します。できたポリープは、がん遺伝子であるK―RAS遺伝子の変化によって大きくなっていき、さらにがん抑制遺伝子のp53遺伝子の異常によってがん化します。つまり、ポリープは大きくなるにつれ多段階的に遺伝子の傷が蓄積していきがん化するので、大きさが重要なポイントになるのです」
大きさだけではなく、「見た目」で切除が検討されるケースもある。腫瘍の表面に見られる「ピットパターン」という模様で見極めるという。
「ピットパターンは6つの型に分類されていて、構造が不均一だったり、形がいびつだったり、模様が特殊な場合などは、大きさが5ミリ以下でも切除が検討されるケースがあります。診断には拡大内視鏡が使われ、色素内視鏡を併用して綿密に観察します」
ポリープの大きさと見た目に問題がなければ経過観察になるのが一般的で、多くの人はこれに該当しているのだ。